つわりで苦しんでいるすべての人を
応援しています!
サイト一覧はこちら
ビタミンB6はつわりを緩和するために点滴などに含まれており、広く使われています。
なぜ効果があるのかはまだ詳しくは解明されていないようです。吐き気を治療するために1940年代以来長期にわたって使用されており、妊娠中に安全であると考えられています。
1995年に342人の妊娠している女性によって二重盲検の研究が行われました。(B6を25mg、3日間および10mgを8時間ごと、5日間の8時間ごと) 結果、偽薬グループと比較して、3分の1は吐き気を経験し続けましたが、ビタミンB6をとる女性は吐き気や嘔吐が縮小することを報告しました。つわりの吐き気や嘔吐が多少軽減されていると評価しました。 Vutyavanich, Tら 産婦人科のアメリカン・ジャーナル 1995年 |
59人の妊娠中の女性に、吐き気と悪阻の治療のためにビタミンB6に関する二重盲検の研究がなされました。 31人の患者がビタミンB6を受け取り、残りは偽薬が与えられました。(72時間8時間ごとに25mg) 患者達に嘔吐の程度の差はほとんどありませんでした。31人のB6のうちの15人、偽薬グループ中の28人中の10人は、治療の前に嘔吐していました。3日間の治療後、嘔吐したのは偽薬グループ28人の患者のうちの15人と比較して、B6グループ中の31人の患者のうちの8人だけでした。 何人かの人々は(特に重症のつわりは)、B6追加によりつわり軽減があるように見えます。しかし、その効能を全面的に支援するものではありません。 Sahakian Vら Obstet Gynecol 1991年 |
通常のつわりよりも、妊娠悪阻などの重症のつわりのほうに改善が見られやすいとのことです。
また、B6がつわりに効果がないのではという報告も別に聞かれます。
B6を1日当たり25mg~75mgの大量摂取を行っているようです。
ところで実際のB6の1日の栄養所要量は
日本人(厚生省) | 成人男性1.6mg | 成人女性1.2mg | 妊婦1.7mg |
アメリカ | 成人男性2mg | 成人女性1.6mg | 妊婦2.2mg |
です。ビタミンB6は水溶性で過剰にとった分は体外に排出されますが、1日当たり100ミリグラムを越える量を長期に続けると神経の問題が起こることもあるという報告もあるようです。(その数値もまちまちで100~500mgなど差があります。)が、海外サイトのつわり向けサプリメントには一回につき100~200mg以上の物も販売されています。
妊娠初期中のビタミンAの高用量が胎児の異常につながるなど、妊娠中のサプリメントには注意が必要です。
ビタミンB6は広くつわりや妊娠悪阻に使われているものですが、それは、
「総合ビタミン剤を中身も見ずにザラザラ飲む」こととは別であると私達妊婦は知る必要があります。
妊娠悪阻で入院中の人、もしくはつわり中に点滴などでB6や水分及び栄養をとっている人こちらの投稿でもずいぶんいらっしゃいました。点滴などで、ずいぶん具合がよくなったという人の体験談は多いです。しかし、それでも、全員につわりの改善が見られてはいません。ですので、効かないからとさらにビタミンB6を多量にとるものではないようです。
つわりと一口に言っても、栄養は取れている人、全く食事が出来ない人などさまざまなので、病院や薬局でおたずねください(電話でも質問できることがあります)。なるべくなら栄養は食事でとることにこしたことがないのは多くの専門家達の現在の意見のようです。
さらにビタミンB6はたばこや飲酒、タンパク質を多くとると消費が早まります。
ビタミンB6が多く含まれている代表的な食品を下に表にしました。
(四訂食品成分表2000から抜粋)
穀類 | 玄米 (精米) |
0.47 (0.13) |
芋類 | さつまいも ジャガイモ |
0.24 0.24 |
種実類 | カシューナッツ くるみ ごま ピーナッツ |
0.36 0.49 0.66 0.49 |
豆類 | 大豆ゆで グリーンピース 豆全体が0.1前後です |
0.11 0.15 |
魚介類 | あじ あゆ いわし かつお さけ さば さんま 鯛 ニシン ブリ マグロ マス |
0.4 0.32 0.5前後 0.87 0.5前後 0.57 0.57 0.5前後 0.42 0.4 0.9前後 0.55 |
鳥肉類 | 牛もも肉 レバー 鳥もも肉 レバー 豚もも肉 レバー 卵黄 |
0.43 0.89 0.39 0.65 0.48 0.57 0.33 |
野菜類 | カリフラワー とうもろこし にんにく ピーマン |
0.23 0.16 1.68 0.25 |
果物 | アボガド バナナ |
0.32 0.38 |
藻類 | アオノリ | 0.49 |
レバーのような日本人には食べにくい食品だけでなく、赤身の魚(ダントツに高い)、藻類、ゴマなどに多いですね。むしろ日本食なら不足しにくいビタミンかもしれません。
アメリカのサイトだとジャガイモ、とうもろこし、バナナなどが書かれているサイトが多かったです。問題はつわり中に食べられるかどうかですよね。
妊娠悪阻で入院していた妊婦さんの赤ちゃんも他と比べて差がほとんどないそうですので、食べられなかったといって必要以上に自分を責めないでくださいね。
ビタミンB6ですべてのつわりが改善していません。できるのなら妊娠悪阻で入院している患者さん達はすぐに家に帰ることができるはずです。