歩み


共通罰則歌その14。長く険しかったこの鉄人レースもいよいよ終了です。
こちらも出典は「まじかるアンティーク」。
歌うAKKOさんという方は他のリーフゲーのテーマも担当しておられるようですな。
最後を飾るに相応しいしっとりとした曲になっておりますです。
では歌詞ドウゾ。  


自分らしく生きる事なんて
様になる言い訳

小さな事に傷ついてても
認めたくなくて

貴方は私の積み上げた
強がりを支えてた

真昼に浮かぶ頼りない月が
目に付いて消えない

迷子の私が行く未来を
不安げに照らす

風のようにあなたはさよならを
残し通り過ぎた

今思えば懐かしくて胸が痛むけど
頑なな心で貴方を苦しめていた

昔くれた貴方の優しさ抱きしめたら
新しい道歩み出せる 明日の為に

人は時に諦めては立ち止まるけれど
幾千に別れた未来を選び出してく

またどこかであなたと会えたら「ありがとう」と
笑顔で言える私になる 明日の為に



……いや、まったくもって。何処から突っ込んで良いものやら。
つうか突っ込みどころが無いですよ。「アニソンにしては」という枕詞なぞつけなくとも、
本当に普通の歌謡曲として通用するんじゃないでしょうか。
感じとしては鬼束ちひろに近い感じだと思いますが。
でもあそこまで冷たい突き放した感じの声ではなく、
暖かい熱のこもった、人間味のある声だと感じられます。

もちろん歌唱技能自体に関しては鬼束ちひろのほうが上手だとは思いますけれど……

歌詞の内容的には、
やはり齟齬が生じたカップルがそれを繕いきれずに別れてしまうけれども、
それに拘泥することなく、その現実を糧として、
それぞれが新しい道に向かい歩んでいく……そんな感じですよね。

言葉の選び方も実に上手いです。

>貴方は私の積み上げた
>強がりを支えてた

自らを大きく偉大に誇張して見せる事は、相手にもそして自分自身にも傷を残します。
そして、それが張りぼてである事が露見してもなお……いや、露見したならなおさら、
重ねつづけていかないわけには行かなくなるものです。
しかし、それは、大きな波を伴っていつかは瓦解します。
誰もその奔流に逆らう事は出来ません……ただ、押し流されるだけ。

そして、後には後悔だけが残るのです。

>人は時に諦めては立ち止まるけれど
>幾千に別れた未来を選び出してく

言い方を変えれば、人は幾千に別れた未来の中から、
一つを選び出し辿って行かなければなりません。
それは人として生きることの悲哀を歌っているようにも感じられます。
しかし、自分の意志で選び取ったものならば、後ろを振り返る必要は無いはず。
後は前だけを見て、ポジティブに生きていくべきだと、そういっている気がします。

なんか本気で良い歌に思えてきたぞ。苦渋に満ちた罰ゲームのトリがこれで救われた気分です。
2度とやりたいとは思わないけど。

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